5)基本動線分岐点に至る利用者は、個々の目的地はそれぞれで、入場系・のりかえ系動線上も、出場系・通過系動線上も、利用する鉄道改札口や駅出入口を特定することはできないから、タイプA、タイプBともに、表示している情報内容にも、表現方法にも不合理がある。 6)求められる情報内容が構内の所々に分敵している場合、利用者が必要とする情報があるのかないのか、あるいはどこにあるのか判断がつかない。情報は総括的に提供される必要がある。 7)表示面の位置設定方法では、 a.タイプAは表示面が視線方向と対面しているから、遠くから歩行を止めずに視認できる利点がある反面、手前方向は指示できない。 b.タイプBは表示面の向きで指示する方向が示されているから、指示方向がはっきりしている利点がある反面、直進方向の情報は動線上の手前の器具に隠れて視認できない。 との違いがある。 8)基本動線分岐点における情報提供は、駅出入口や改札口付近との関係を調整しつつ、情報ニーズに対応した抜本的な検討が必要である。 3-5 改札口付近の情報提供(1)乗車系動線(ラチ外) 1.求められる情報内容 1)改札口付近で求められる乗車系動線上の、移動系の情報内容には、次の種類などがある。 a.名所地域と鉄道駅との位置的な関係 b.のりかえのわかる鉄道ネットワークの状況 c.きっぷうりばの位置あるいは方向 d.インフォメーションセンターの位置あるいは方向 e.旅行センター等営業施設の位置あるいは方向 f.トイレ等サービス施設の位置あるいは方向 g.この改札口の名称(利用できる鉄道路線名) 2)旅行行程を組み立てる場合、目的地と鉄道駅の関係を理解するプロセスは重要である。 著名な観光地等、名所地域と降車駅の関係を確認できれば、利便性が高まることが期待できる。 3)利用者が利用する路線は、当該鉄道会社の路線だけとは限らない。 旅行行程全体を理解するために、のりかえのわかる鉄道ネットワークの状況を確認する必要がある。 4)「きっぷうりば」への動線は、第1章で整理したように入場系動線の支動線として位置づけられる。「鉄道改札口の方向指示」で移動してきた利用者は、改札口付近で「きっぷうりばの位置」を直截に見い出す必要がある。 5)複数の路線のあるターミナル駅の場合、この改札口からどの路線を利用できるのか確認することは重要である。これを誤まると利用者の被る損失は大きい。
前ページ 目次へ 次ページ
|
|